リップロールをやってみたけれど、唇が全然震えない。動画を見ても、どうしてあんなに簡単そうにできるのか分からない。
そういう経験、ありませんか。
ボイトレの基本メニューとして紹介されることが多いリップロールですが、実際にやってみると思ったより難しい。
途中で止まってしまったり、音程をつけようとすると途切れてしまったり。「自分には向いていないのかも」と感じる人は、実は少なくないんです。
この記事では、リップロールがうまくいかない原因を、力の入れ方・息の出し方・練習の組み立て方の3つの視点から整理しました。唇を震わせるコツは、思っているよりシンプルです。
リップロールで唇が震えない人が陥っている”力の入れ方”の誤解

リップロールができない理由として、最初に疑うべきなのが「唇の力の入れ方」です。
意外と見落とされがちなんですが、唇を震わせようとする意識そのものが、実は失敗の原因になっていることが多いんです。
音無し唇をプルプルさせようと思って力を入れると、逆に止まっちゃうんですよね…



そうなんだよ。震わせようとすればするほど、唇が固まるんだ
唇を震わせるのは「唇の筋肉」ではなく、実は「息の圧力」なんです。
唇はあくまで息の通り道として、ゆるく閉じているだけ。
震わせるのは息の仕事であって、唇の仕事ではないんですよね。
「唇を閉じよう」と意識した瞬間に失敗する理由
リップロールの説明を読むと、「唇を軽く閉じる」と書いてあることがほとんどです。でも、この「軽く閉じる」という感覚が、初心者にとっては意外と難しい。
唇を閉じようとすると、無意識に力が入ってしまいます。特に「ちゃんとやろう」と意識するほど、唇全体に力が入って、息が通る隙間がなくなる。
結果的に、震えるどころか息が止まってしまうんです。
- 唇に力を入れすぎ
- 息の隙間が消える
- 押し付けている
- 真面目すぎる意識
こうした失敗は、「正しくやろう」という気持ちが強いほど起こりやすい傾向にあります。力を抜くことへの意識が、むしろ成功への近道になるわけです。
正しい状態は、唇を「閉じる」というより「触れさせる」くらいの感覚です。
上唇と下唇が軽く接触しているだけで、力は抜けている。触れているけど、押し付けていない状態ですね。
鏡を見ながら試してみると分かりやすいかと思います。
唇に力を入れた状態と、力を抜いて軽く触れさせただけの状態では、見た目も全然違う。
力を抜いた方が、唇の表面が柔らかく見えるはずです。
頬と口角の位置が成否を分けている
唇だけに意識が集中していると、頬と口角の位置を見落としがちです。
実はこの2つが、リップロールの成否を大きく左右しています。
頬が下がっていると、唇が縦に引っ張られて隙間ができにくくなります。逆に、頬を軽く上げて口角を少し持ち上げると、唇の中央に息が集まりやすくなるんです。
笑顔を作るときの、あの感じですね。
口角を上げると言っても、満面の笑みにする必要はありません。
ほんの少し、口の端が上がる程度で十分です。
これだけで、唇の震え方が安定することが多いですよ。
- 頬を軽く上げる
- 口角を少し持ち上げる
- 満面の笑みは不要
- 口の端がわずかに上がる程度
表情の変化はわずかで構いません。
鏡で確認すると、思ったより小さな動きで効果が出ることに気づくはずです。
力みすぎると逆効果ですから、リラックスを忘れずに。



頬を上げるって、表情筋を使うってことですか?



そう。でも意識しすぎると顔がこわばるから、軽くね
指で頬を軽く押さえてサポートする方法もあります。人差し指と中指で頬骨のあたりを軽く持ち上げるようにすると、唇の震える起点が安定します。
最初はこの方法で感覚をつかんで、慣れてきたら指を外していくのがおすすめです。
息の「太さ」より「流れの安定」が本質
リップロールがうまくいかない人の多くは、息を「強く吐こう」とします。でも、実は息の強さよりも、息の流れが一定であることの方がずっと大事なんです。
息を強く吐くと、最初は唇が震えるかもしれません。
でもすぐに息が切れて、途中で止まってしまう。これは、息の量が不安定だからです。
理想的な息の出し方は、細く長く、一定の圧力で吐き続けること。
太く短い息ではなく、細く長い息を意識しましょう。
ストローで水を静かに吹くときの感覚に近いです。
- 細く長い息を意識
- 一定の圧力を保つ
- 腹式呼吸で安定
- お腹から息を送る
- 5秒から始める
腹式呼吸を使えば、肩や胸だけで息をするより流れが安定しやすくなります。
お腹を少しずつへこませながら、息を一定の速度で吐いていく感じ。最初は5秒続けば十分で、慣れたら7秒、10秒と少しずつ伸ばしていけば大丈夫です。
リップロールができるようになると変わる3つの発声感覚


リップロールができるようになると、歌を歌うときの感覚が変わってきます。
これは単なるウォーミングアップではなく、発声の土台そのものを整える練習なんです。
特に、高音を出すときの力み、息継ぎのタイミング、声の調子を整える速さの3つが、はっきりと変わってきます。
毎日続けていくうちに、「あ、前より楽に出せる」と感じる瞬間があるはずです。
高音を出すときに喉が締まらなくなる
高い音を出そうとすると、喉に力が入ってしまう。
この経験、ありませんか。
リップロールを続けていると、この力みが少しずつ抜けてきます。
リップロールでは、唇を閉じているため大きな声が出せません。
音程を上げようとしても、声帯だけで調整するしかない。この状態で音階を上げ下げする練習をすると、喉に余計な力を入れずに音程をコントロールする感覚が身についてくるんです。
- 唇を閉じて大声を封じる
- 声帯だけで音程を調整
- 喉の力みが自然に抜ける
- 音階練習で感覚をつかむ
こうした制約があるからこそ、無理な発声ができず、正しい出し方だけが残るわけです。
喉が開いた状態で高音を出せるようになると、声が詰まらなくなります。高い音を出すのが怖くなくなる、と言ってもいいかもしれません。



高音って、どうしても力んじゃうんですよね



リップロールだと力めないから、逆に力まない出し方が分かるんだよ
息継ぎのタイミングを自分でコントロールできる
歌を歌っていると、息が続かなくて途中で苦しくなることがあります。
リップロールを続けていると、この息継ぎのタイミングが自分でコントロールできるようになってきます。
リップロールは、一定の息を吐き続ける練習です。
息の量をコントロールしながら、どれくらいの長さまで続けられるかを体で覚えていく。
これが、歌を歌うときの息のマネジメントにつながるんです。
- 一定の息を吐き続ける
- 息の量を調整する
- 持続時間を体感する
- 無駄な息を減らす
こうした感覚が身につくと、フレーズごとに必要な息の配分が見えてくる。
長いフレーズでも慌てず、落ち着いて歌えるようになります。
息継ぎが下手な人は、息を使いすぎていることが多いですよね。
必要以上に息を吐いてしまうから、すぐに息切れする。リップロールで合った息の量を体で覚えると、歌でも無駄に息を使わなくなります。
歌う前の5秒で声の調子を整えられる
声の調子が悪いとき、リップロールを5秒やるだけで状態が変わることがあります。
これは、声帯周りの緊張がほぐれるからなんです。
朝起きたとき、声がかすれていることがありますよね。
あれは、声帯周りの筋肉がまだ動いていないからです。
リップロールをすると、声帯周りの血流が良くなって、筋肉がほぐれてくる。結果的に、声が出やすくなるんです。
カラオケで歌う前、本番前のウォーミングアップとしても使えます。
長い時間をかけなくても、5秒から10秒やるだけで、声の出だしが変わってきます。声を温めるイメージですね。
声の調子が悪いときほど、リップロールが効きます。
無理に声を出そうとするより、まずリップロールで声帯をほぐす。
そのあとで歌い始めた方が、喉を痛めるリスクも減ります。
初心者がつまずく場面別・リップロールの正しいやり方


リップロールのやり方を説明する記事は多いですが、「どこでつまずくか」まで書いてあるものは少ないです。ここからは、よくある失敗パターンごとに、対処法を整理していきます。
唇が止まってしまう、音程をつけると途切れる、30秒以上続けられない。
この3つが、初心者が最も多く直面する壁です。
それぞれ、原因と解決策が違います。
唇が止まってしまうときの息の出し方
リップロールを始めても、2秒で唇が止まってしまう。これは、息の出し方に問題があることが多いです。
息を「吹く」のではなく、「漏らす」イメージに切り替えてみてください。吹くと、息が一気に出すぎて、唇が開いてしまいます。
漏らすイメージだと、息が細く一定に出続けるんです。
具体的には、ため息をつくときの息の出し方に近いです。力を抜いて、自然に息が出ていく感じ。
吹こうとすると力が入るので、漏らす方向で考えた方がうまくいきます。
- ため息をつくように息を抜く
- 息を細く長く出し続ける
- 唇は閉じるのではなく触れさせるだけ
- 顔全体の力を抜く
これだけで唇が震え始めることが多いです。力を抜くことが、リップロールの最初の一歩なんですよね。
「吹く」のではなく「漏らす」イメージで調整する
息を吹くと、どうしても瞬間的に強い圧力がかかります。
唇が開いて、空気が一気に抜けてしまう。
これでは震えが続きません。
漏らすイメージだと、圧力が一定になります。唇の隙間から、少しずつ息が漏れていく感じ。
この状態だと、唇が細かく震え続けるんです。
最初は息の量が少なくても大丈夫です。むしろ、少ない息で長く続ける方が、リップロールの感覚をつかみやすい。
たくさん息を使おうとしなくていいんです。
指で頬を支えて振動の起点を作る
どうしても唇が震えない場合は、指で頬を支えてみてください。これだけで、震えが安定することがあります。
人差し指と中指で、頬骨のあたりを軽く持ち上げます。唇の端が少し上がる程度でOK。
この状態で息を吐くと、唇の中央に息が集まって、震えやすくなるんです。
指で支えると、唇の震える起点が固定されます。自分の力だけだとブレてしまう部分を、指が補助してくれる。
慣れてきたら、少しずつ指の力を弱めていって、最終的には指なしでできるようにしていきます。
これは恥ずかしい練習方法ではありません。プロの歌手でも、ウォーミングアップで指を使う人はいます。
まずは震える感覚を体で覚えることが大事なんです。
音程をつけようとすると途切れる場合の対処法
リップロール自体はできるけれど、音程を上げようとすると途切れてしまう。
これは、息の量と声帯の使い方が合っていないことが原因です。
音程を上げるときは、息の圧力を少しだけ増やす必要があります。
でも、増やしすぎると唇が開いて途切れる。
このバランスが難しいんですよね。
最初は、音程を大きく動かさないことが大事です。
「ド・レ・ミ」くらいの狭い範囲で、ゆっくり上げ下げする。
いきなり1オクターブ動かそうとしないことですね。



音程を上げると、どうしても力んじゃうんです



最初は半音ずつでいいよ。焦らずね
音程を上げるときは、声帯を締めるのではなく、息の圧力を少しだけ上げる意識を持ってください。声帯を締めると喉に力が入って、リップロールの意味がなくなってしまいます。
息で音程をコントロールする感覚を、ここでつかんでおくんです。
| 音程が途切れる人 | 音程が続く人 | |
|---|---|---|
| 息の量 | 一定のまま | 音程に合わせて微調整 |
| 声帯 | 力んで締める | リラックスしたまま |
| 意識 | 高い音を出そうとする | 息の圧力を少し上げる |
音程をつけたリップロールは、声帯のコントロールを鍛える練習になります。最初はうまくいかなくても、続けていくうちにコツがつかめてきます。
30秒以上続けられないときのチェックポイント
リップロールが10秒くらいで止まってしまう場合、息の使い方か姿勢に問題があることが多いです。30秒続けられるようになると、歌を歌うときの息のコントロールが格段に良くなります。
まず確認したいのが、姿勢です。猫背になっていると、肺が圧迫されて息が続きません。
背筋を伸ばして、肩の力を抜く。
これだけで、息の量が変わってきます。
次に、息を吐くスピードです。早く吐きすぎると、すぐに息切れします。
できるだけゆっくり、細く長く吐く。息を出すスピードを半分にするつもりで試してみてください。
腹式呼吸ができているかも重要です。胸で息をしていると、息が浅くなって続きません。
お腹に手を当てて、お腹がへこんでいくのを確認しながら息を吐いてみてください。
30秒続くようになったら、次は1分を目指します。焦らず、少しずつ目標タイムを伸ばしていく。
毎日続けていれば、2週間くらいで30秒は達成できるはずです。
リップロールの効果を歌唱力に結びつける練習の組み立て方
リップロールができるようになっても、それを歌に活かせなければ意味がありません。ここからは、リップロールをどう練習メニューに組み込むかを整理していきます。
音階練習に組み込む方法、曲の練習前に取り入れる習慣、目標タイムと継続期間の目安。
この3つを押さえておけば、リップロールが歌唱力アップに直結します。
音階練習に組み込んで声帯の柔軟性を高める
リップロールは、音階練習と組み合わせると効果が高いです。
単にリップロールをするだけではなく、音程を変えながら練習することで、声帯の柔軟性が上がります。
まずは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ファ・ミ・レ・ド」のような基本的な音階を、リップロールでなぞってみてください。
ゆっくりでいいので、一音ずつ丁寧に。
音が途切れないように、息を一定に保ちながら進めます。
慣れてきたら、音域を少しずつ広げていきます。最初は5度くらいの範囲で、徐々に1オクターブまで。
無理に高い音を出そうとせず、自分が楽に出せる範囲で続けることが大事です。



音階練習って、毎日やった方がいいですか?



できれば毎日。5分でもいいから続けてみて
音階練習をリップロールでやると、喉に負担をかけずに声帯を鍛えられます。普通に声を出して音階練習をすると、喉が疲れることがありますが、リップロールならその心配が少ないんです。
- 基本の音階から始める
- 音が途切れないように息を一定に保つ
- 無理に高い音を出さない
- 毎日5分でもいいので続ける
音階練習でリップロールをする習慣をつけると、声帯のコントロールが自然に身についてきます。
3ヶ月くらい続けると、声の出し方が変わってくるのを実感できるはずです。
曲の練習前に取り入れて力みを抜く習慣
歌の練習を始める前に、リップロールを30秒だけやる。
これを習慣にすると、歌い始めの力みが減ります。
いきなり歌い始めると、声帯がまだ温まっていない状態で負荷がかかります。リップロールで声帯周りをほぐしてから歌い始めると、喉が開いた状態でスタートできるんです。
特に、高音が多い曲を練習するときは、リップロールでのウォーミングアップが効きます。
高音を出すための準備が整った状態で練習を始められるので、喉を痛めるリスクが減るんですよね。
リップロールを練習前のルーティンにしておくと、本番前の緊張もほぐれます。いつもと同じ手順で体を準備することで、メンタル面でも落ち着けるんです。
目標タイムと継続期間の目安を知っておく
リップロールの目標タイムは、最終的には1分くらいです。
1分続けば、実用的なレベルに達していると言えます。
最初は5秒から10秒で十分です。
そこから、1週間ごとに5秒ずつ伸ばしていく。焦らず、少しずつ目標を上げていくことが大事なんです。
継続期間としては、最低でも2週間は毎日続けてほしいです。2週間続けると、唇と息のコントロールが体に染み込んできます。
1ヶ月続けば、リップロールが習慣になるはずです。
- 1週目: 5〜10秒を目標
- 2週目: 15〜20秒を目標
- 3週目: 25〜30秒を目標
- 1ヶ月後: 40秒〜1分を目標
毎日続けることが、一番の近道です。1日サボると、感覚が戻るまでに2日かかる。
そういうものだと思って、短い時間でもいいので毎日続けてください。
1ヶ月続けて1分のリップロールができるようになったら、次は音階をつけたリップロールに移っていきます。
段階を踏んで進めていくことで、確実に歌唱力の土台が固まってきます。
よくある質問
- リップロールは毎日何分くらいやればいいですか?
-
最初は1日5分で十分です。慣れてきたら10分くらいに伸ばしてもいいですが、無理に長時間やる必要はありません。短い時間でも毎日続けることの方が大事です。
- リップロールができないのは才能がないからですか?
-
才能の問題ではありません。唇と息のコントロールのコツをつかめていないだけです。正しい力の抜き方と息の出し方を練習すれば、誰でもできるようになります。
- リップロールで高音が出やすくなるのは本当ですか?
-
本当です。リップロールは声帯に余計な力を入れずに音程をコントロールする練習になります。続けていくと、高音を出すときの力みが減って、楽に出せるようになる人が多いです。
- 音程をつけたリップロールができません。どうすればいいですか?
-
最初は音程を大きく動かさず、半音ずつゆっくり上げ下げする練習から始めてください。いきなり1オクターブ動かそうとせず、狭い範囲で息の圧力を調整する感覚をつかむことが先です。
- リップロールの効果が実感できるまでどれくらいかかりますか?
-
個人差がありますが、毎日続けて2週間くらいで「声が出しやすくなった」と感じる人が多いです。3ヶ月続けると、高音の出し方や息継ぎのタイミングが明確に変わってきます。
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まとめ:リップロールは”できる・できない”より”何に気づくか”が重要
リップロールがすぐにできなくても、焦る必要はありません。大事なのは、唇を震わせることそのものではなく、その過程で自分の息の使い方や力みに気づくことなんです。
唇が震えないのは、力を入れすぎているか、息が一定でないか、どちらかであることがほとんど。この2つに気づくだけで、発声のクセが見えてきます。
リップロールは、そのための道具なんですよね。
毎日5分でもいいので続けてみてください。
1週間続けば、唇と息のコントロールが体に染み込んできます。1ヶ月続ければ、歌を歌うときの感覚が変わってくるはずです。
リップロールは、声の土台を作る練習です。すぐに結果が出なくても、積み重ねた時間は確実に歌唱力に変わっていきます。





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