カラオケで以前歌えていた曲を選んだ瞬間、サビの高音部分で声が裏返る。
そんな経験をしたことはありませんか。
数年前まで難なく出せていた音域が、いつの間にか届かなくなっている。
この感覚、珍しくないんです。多くの人が「喉の衰え」として諦めてしまいがちですが、実は問題の正体は別のところにあることが多いです。
この記事では、高い声が出なくなった本当の原因を4つのタイプに分けて整理し、声帯を柔軟にするための具体的な訓練方法をまとめました。
高い声が出なくなった本当の原因は、年齢より「発声の習慣」にある

「年齢のせいで高い声が出なくなった」と決めつける前に、一度立ち止まってみてください。
確かに、加齢による声帯の変化は誰にでも訪れます。でも、それが顕著に現れるのは早くても40代後半からです。
20代や30代で「昔より高音が出ない」と感じているなら、年齢よりも発声方法の問題である可能性が高いんです。
音無しまだ30代なのに、もう声が衰えてるんですかね…



いや、それは衰えじゃなくて「癖の積み重ね」だと思うよ
若い頃は無理やり力で声を絞り出していても高音が出せていたかもしれません。でも、その無理な発声方法が板についてしまうと、徐々に非合理的な状態が助長されていきます。
気づかないうちに、間違った筋肉の使い方が固まってしまっている状態です。
実際、ボイストレーニングの現場では30代半ばで「声が出なくなった」と相談に来る人が少なくありません。
調べてみると、喉の器質的な問題ではなく、発声の癖が原因だったというケースが大半なんですよね。
「喉の衰え」と決めつける前に確認すべき3つのサイン
高い声が出なくなったとき、それが本当に喉の衰えなのか、それとも発声の癖なのかを見分けるサインがあります。
まず、以下のどれか1つでも当てはまるなら、悪い癖がついている可能性が高いです。
- 声がこもった感じがする
- 心臓の辺り(あばら骨の谷間辺り)の筋肉が張る
- 歌っていると肩がよく動いてしまう
- 単純に歌いづらいと感じる
- 気持ちを込めて歌うと息っぽい歌い方になる
これらのサインは、正しい発声方法ができていないことを示しています。
腹式呼吸ではなく胸式呼吸になっていたり、上咽頭での共鳴がうまくできていなかったり、全身の筋肉が強張っていたりする状態です。
喉そのものの衰えではなく、発声の仕組みが崩れている状態なら、訓練で改善できます。ここを見誤ると、「もう年だから」と諦めてしまうことになるんです。
若い頃と同じ歌い方を続けている人ほど、高音域が狭くなっていく
若い頃に高い声が出せていた人ほど、同じ歌い方を続けてしまいがちです。
10代や20代の頃は、多少無理な発声でも筋力で押し切れていました。でも、年齢を重ねるにつれて、その無理が効かなくなってくる。
問題は、その変化に気づかず同じやり方を続けてしまうことなんです。
例えば、力任せに声を絞り出す発声方法。若い頃はそれで高音が出せていたかもしれません。
でも、その方法を何年も続けると、喉に余計な力が入る癖が染みついてしまいます。
声帯を伸ばす筋肉(輪状甲状筋)が硬くなり、柔軟性が失われていく。これが高音が出なくなる本当の原因です。
- 力任せの発声
- 喉に力を入れる癖
- 筋肉の硬直化
- 柔軟性の低下
こうした悪循環は、自分では気づきにくいもの。
録音して客観的に聴いてみると、思った以上に力んでいることが分かります。早めに修正すれば、筋肉の柔軟性も取り戻せますよ。



でも、昔と同じように歌ってるだけなんですけど…



それが問題なんだよね。体は変わってるのに、歌い方が変わってない
年齢に応じて発声方法を見直さないと、音域はどんどん狭くなっていきます。逆に言えば、正しい発声方法を身につければ、50代でも60代でも良い声で歌える可能性は十分にあるんです。
声帯の柔軟性が失われる日常習慣のパターン
高い声が出なくなる原因として見落とされがちなのが、日常生活の中での声の使い方です。
歌うときだけ気をつけていても、普段の会話や生活習慣で声帯に負担をかけていたら、柔軟性は失われていきます。
以下のような習慣に心当たりがないか、振り返ってみてください。
| 声帯への影響 | 具体的な症状 | |
|---|---|---|
| 喉に力を入れて話す習慣 | 声帯周辺の筋肉が常に緊張状態になる | 声がかすれやすい、疲れやすい |
| 乾燥した環境で過ごす時間が長い | 声帯の粘膜が乾燥して柔軟性が低下 | 朝起きたときに声が出にくい |
| 大声を出す機会が多い | 声帯に過度な負担がかかる | 高音が裏返りやすくなる |
| 水分をあまり取らない | 声帯の潤いが不足する | 声がガラガラする |
特に注意したいのが、喉に力を入れて話す習慣です。
仕事で大きな声を出す必要がある人や、電話対応が多い人は、知らず知らずのうちに喉を締めて声を出している可能性があります。
この状態が続くと、声帯を伸ばす筋肉が硬くなり、高音域が出にくくなるんです。
日常生活の中で声帯をケアする意識を持つことが、高い声を取り戻す第一歩になります。
高い声が出なくなった原因を4つのタイプに分けて整理する


高い声が出なくなる原因は人によって違います。
ここでは、よくあるパターンを4つのタイプに分けて整理しました。
自分がどのタイプに当てはまるかを確認することで、良い対処法が見えてきます。
| タイプ1 | タイプ2 | タイプ3 | タイプ4 | |
|---|---|---|---|---|
| 原因 | 無理な発声の癖 | 声帯を動かす筋肉の硬化 | 声門の閉鎖不全 | 脳からの指令の誤り |
| 主な症状 | 力を入れても高音が出ない | 声帯が伸びにくい | 息漏れする声 | 突然声が出なくなる |
| 発生しやすい年代 | 20代〜40代 | 30代後半以降 | 全年代 | 全年代 |
| 改善の難易度 | 中程度 | 中程度 | やや高い | 高い |
多くの場合、これらのタイプは単独で現れるのではなく、複数が組み合わさっています。
例えば、無理な発声の癖(タイプ1)が長年続いた結果、筋肉が硬くなる(タイプ2)といった具合です。どのタイプが主因かを見極めることが、良い訓練につながります。
【タイプ1】無理な発声の癖が積み重なって固まっている
このタイプは、長年の間違った発声方法が癖として定着してしまった状態です。
若い頃は力任せに声を絞り出していれば高い声が出せていたかもしれません。でも、その無理な発声方法を何年も続けると、非合理的な筋肉の使い方が板についてしまいます。
正しい発声方法を知らないまま、間違った癖だけが強化されていく。
これが一番多いパターンなんです。



力を入れれば高い声が出ると思ってました…



それが逆効果なんだよね。力むほど声帯は締まっちゃう
正しい発声方法の基本は、腹式呼吸による腹圧で声を出すこと、上咽頭での共鳴をしっかり作ること、なるべく全身の筋肉が強張らない状態で声を出すこと、舌のポジションを正しい位置にキープすること、息の量を適量に保つことです。これらができていないと、どんなに力を入れても高い声は出ません。
- 腹式呼吸で腹圧を作る
- 上咽頭での共鳴
- 全身の力を抜く
- 舌のポジション維持
- 息の量を適量に
どれか一つでも欠けると、喉だけで声を絞り出す状態になりがちです。特に力を抜くことと腹圧のバランスは、頭で理解しても体が覚えるまで時間がかかります。
ただ、このタイプは訓練で改善しやすい部類でもあります。正しい発声方法を身につければ、比較的早い段階で変化を実感できることが多いです。
力任せに声を絞り出す発声が板についてしまった状態
喉に力を入れて高音を出そうとする癖が染みついている人は、まず「力を抜く」ことから始める必要があります。
力を入れれば入れるほど、声帯周辺の筋肉は緊張します。声帯は繊細な器官なので、余計な力が加わると柔軟性が失われ、むしろ高音が出にくくなるんです。
理想的な発声は、必要最小限の力で声帯を動かすこと。そのためには、腹式呼吸をマスターして、お腹から声を出す感覚を掴む必要があります。
具体的には、仰向けに寝転んで呼吸をしてみてください。自然とお腹が膨らむのが感じられるはずです。
その感覚を立った状態でも再現できるようになれば、腹式呼吸の基礎ができたことになります。
心臓のあたりの筋肉が張る、肩が動くといった兆候
歌っている最中に心臓のあたりの筋肉(あばら骨の谷間あたり)が張ったり、肩が上下に動いたりするのは、胸式呼吸になっている証拠です。
胸式呼吸は浅い呼吸なので、声に安定感がなくなります。
また、肩や首周りの筋肉を使って声を出すことになるため、すぐに疲れてしまう。高音を出すには、深く安定した呼吸が必要なので、胸式呼吸のままでは限界があるんです。
肩や胸の筋肉が張る感覚があるなら、意識的にお腹に力を入れて歌ってみてください。
最初は慣れないかもしれませんが、続けていくうちに自然とお腹から声が出る感覚が掴めてきます。
【タイプ2】声帯を動かす筋肉が硬くなって伸びにくい
高い声を出すには、声帯を伸ばす筋肉(輪状甲状筋)がしっかり動く必要があります。
この筋肉は、長期間使わないでいると硬くなってしまいます。例えば、コロナ禍で数年間カラオケに行かなかった、大きな声を出す機会が減ったという人は、輪状甲状筋が硬くなっている可能性が高いです。
筋肉が硬いと声帯が十分に伸びず、高音域が出にくくなります。
ベッドに寝たきりでいると手足の筋肉が衰えるのと同じで、声帯も動かさなければ衰えます。ただ、声帯の場合は筋力が落ちるというより、柔軟性が失われると表現した方が正確かもしれません。
- 数年間歌わなかった
- 大声を出す機会が減少
- 高音域が出にくい
- 声帯の柔軟性低下
こうした状態でも、諦める必要はありません。
声帯は良い訓練によって、失われた柔軟性を取り戻すことができるからです。



久しぶりに歌ったら、全然声が出なくて…



それ、声帯の運動不足だね。でも訓練すれば戻るよ
このタイプの改善には、声帯のストレッチが有効です。
具体的には、小さな裏声で普段歌わないような高い音程を出す練習を続けることで、輪状甲状筋を柔軟にすることも可能です。
【タイプ3】声門がきちんと閉まらず息が漏れてしまう
声門とは、左右の声帯の間の隙間のことです。声を出すときは、この声門がぴったりと閉じて振動することで音が生まれます。
声門がきちんと閉まらない状態を「声門閉鎖不全」と言います。
この状態だと、声帯の間から息が漏れてしまい、かすれた声や息っぽい声になってしまうんです。高音を出すには声帯がしっかり閉じている必要があるので、声門閉鎖不全があると高音が出にくくなります。
声門閉鎖不全の原因はいくつかあります。
加齢による筋力低下、声帯の炎症やポリープ、神経の問題など。
ただ、機能的な問題(筋肉の使い方が悪い)の場合は、ボイストレーニングで改善できることが多いです。
- 加齢による筋力低下
- 声帯の炎症やポリープ
- 神経の問題
- 筋肉の使い方の悪さ
こうした原因のうち、機能的な問題であれば発声トレーニングで改善の余地があります。逆に器質的な異常が疑われる場合は、まず耳鼻咽喉科で診てもらうことが先決ですね。
声門を閉じる練習としては、「あー」と声を出すときに、お腹に力を入れて息を止めるような感覚で声を出すトレーニングがうまくいきます。
息漏れを減らすことで、声門がしっかり閉じる感覚を掴めます。
【タイプ4】脳からの指令が誤った筋肉に伝わってしまう
これは少し特殊なケースですが、「機能性発声障害」と呼ばれる状態です。
脳からの神経伝達が何らかのきっかけで誤ってしまい、声を出すための正しい筋肉ではなく、別の筋肉に力が入ってしまう状態です。
本人は高い声を出そうとしているのに、喉が締まってしまったり、全く声が出なくなったりします。こういったケースは、音声外来などの専門医の診断を受けることをおすすめします。
機能性発声障害と診断された場合、一般的なボイストレーニングだけでは改善が難しいことがあります。専門家の指導のもと、段階的にリハビリテーションを行っていく必要があるんです。
- 喉が締まる
- 声が全く出ない
- 正しい筋肉が動かない
- 意図と違う力が入る
これらの症状が見られる場合、自己判断でのトレーニングは逆効果になることも。医療機関での正確な診断が、回復への第一歩となります。
ただ、多くの場合は「過緊張発声」という状態で、必要以上に喉や首周りの筋肉に力が入ってしまうことが原因です。
このタイプは、リラックスした状態で発声する練習を繰り返すことで、徐々に改善していくことが可能です。
高い声が出なくなった状態を治していく解決策の全体像


結論から言うと、高い声を取り戻すには「土台となる発声方法の再構築」が必要です。
小手先のテクニックではなく、発声の基本に立ち返ることが一番の近道なんです。具体的には、腹式呼吸・共鳴・力みの除去という3つの柱を軸に、声帯を伸ばす筋肉を柔軟にするストレッチ、地声と裏声を繋げる発声訓練を組み合わせていきます。



何から始めればいいですか?



まずは腹式呼吸と裏声の練習。ここができれば後は早いよ
全部を一度にやろうとすると混乱します。
優先順位をつけて、1つずつクリアしていく方が確実です。
腹式呼吸・共鳴・力みの除去という3本柱で発声を再構築する
発声の3本柱は、腹式呼吸・共鳴・力みの除去です。この3つが揃って初めて、無理のない発声ができるようになります。
腹式呼吸は、お腹から声を出す感覚を掴むための基礎です。仰向けに寝転んで、お腹が膨らむ呼吸を心がけてみてください。
その感覚を立った状態でも再現できるようになれば、第一段階クリアです。
共鳴は、声を響かせる技術です。
上咽頭(鼻の奥あたり)に声を響かせることで、声量が増し、高音も出しやすくなります。
鼻をつまんで「んー」と言ってみて、鼻の奥が振動する感覚を掴むのが最初のステップです。
力みの除去は、余計な力を抜くことです。
肩や首、喉に力が入っていないか、常に意識してください。リラックスした状態で声を出すことが、柔軟な発声への第一歩になります。
- 腹式呼吸ができているかチェック: お腹が膨らむか
- 共鳴ができているかチェック: 鼻の奥が振動するか
- 力みがないかチェック: 肩や首が張っていないか
この3つを毎日少しずつ練習することで、発声の土台が整っていきます。
焦らず、1つずつ確認しながら進めてください。
声帯を伸ばす輪状甲状筋を柔軟にするストレッチを取り入れる
高い声を出すには、声帯を伸ばす筋肉(輪状甲状筋)が柔軟であることが必須です。
この筋肉を柔軟にするには、声帯のストレッチトレーニングが良いです。
具体的には、小さな裏声で普段の音域よりも高い音程を歌う練習を続けること。大きな声を出す必要はありません。
むしろ、できる限り小さな声で、ささやくように歌うのがポイントです。
大きい声を出そうとすると、声帯は自然に分厚くなってしまいます。目的は声帯を伸ばすことなので、小さな裏声を使うことが大切なんです。
ひそひそ声で歌う感覚で、高い音程を出してみてください。
声がひっくり返っても構いません。
その裏声のままで歌い続けることが、声帯を伸ばすトレーニングになります。
- 小さな裏声で練習
- 普段より高い音程
- ささやくように歌う
- 声がひっくり返ってもOK
声帯を伸ばす感覚さえ掴めれば、徐々に音域は広がっていきます。焦らず継続することで、柔軟性は確実に高まっていくでしょう。
このトレーニングは、ごく短い時間で構わないので毎日続けると効いてきます。1週間に1回1時間やるよりは、毎日1分間を続ける方がよいです。
歌は3分くらいなので、自分が好きな歌を毎日1曲歌うようにすると、楽しみながら続けられるかもしれませんね。
小さな裏声で高音域を歌う練習を毎日続けていく
裏声の練習が、高い声を取り戻す一番の近道です。
やり方はシンプルです。日ごろ自分が歌っている曲の音程よりも高い音域の声で歌ってみること。
男性だったら女性ボーカルの曲を歌うのもいいでしょうし、女性だったら1オクターブ上の音程を歌う。そうすると、普段使っていない筋肉を使って声を出すので、喉のトレーニングになります。



裏声って、なんか恥ずかしいんですけど…



最初はそうだよね。でも、誰も聞いてない場所で練習すればいいじゃん
トレーニングする時間は朝昼晩のいつでもいいと思います。一番よいのは、血液が体を巡った後の午後でしょうが、朝起きてすぐにやっても別に構いません。
おすすめは、お風呂に入りながら歌うことです。浴室の湿気が乾燥を防いでくれますし、声も響きやすいのでトレーニングに最適な環境なんです。
可動範囲ぎりぎりまで動かすことが、筋肉を柔らかくすることにつながります。自分が歌える音程の範囲で歌っていても、筋肉は衰えていく一方です。
ある程度、負荷をかけて喉の筋肉を鍛えないと、加齢とともに声はどんどん出なくなってしまいます。
声帯の柔軟性を取り戻すための具体的なトレーニング手順
ここからは、実際にどんなトレーニングをすればいいのか、具体的な手順を見ていきます。
いきなり全部やろうとしなくて大丈夫です。
まずは1つのトレーニングを1週間続けてみて、体の変化を感じてから次に進む。
そういうペースで十分です。
普段の音域より高い曲を小さな裏声で歌ってみる
最初のステップは、普段歌わない高い音程の曲を選ぶことです。
男性なら女性アーティストの曲、女性なら自分が普段歌う曲よりも1オクターブ高い音程で歌ってみてください。
歌詞は「あー」とかで構いません。大事なのは、高い音程を裏声で出し続けることです。
声が裏返っても気にしないでください。むしろ、裏返った状態(裏声)のままで歌い続けることが、このトレーニングの目的です。
小さな声で、ささやくように歌うのがコツ。大きな声を出そうとすると、声帯が分厚くなってしまうので、ストレッチ効果が薄れます。
- 女性ボーカルの曲を選ぶ(男性の場合)
- 1オクターブ上で歌う(女性の場合)
- 小さな裏声でささやくように
- 声が裏返ってもそのまま続ける
- 毎日1曲、3分程度でOK
このトレーニングは、できる限り小さな声を出すことがうまくいきます。
筋トレという観点から考えると、可動範囲ぎりぎりまで動かすことが筋肉を柔らかくすることにつながるんです。
男性は女性ボーカルの曲、女性は1オクターブ上で練習する
男性の場合、普段歌っている曲の音域は低めに設定されていることが多いです。
それを女性ボーカルの曲に変えると、自動的に高い音域を練習することになります。
女性の場合は、自分が普段歌う曲をそのまま1オクターブ上げて歌ってみてください。
最初は音程がつかみにくいかもしれませんが、続けていくうちに慣れてきます。
音程が正確でなくても構いません。高い音域で声を出すこと自体が、声帯を伸ばすトレーニングになります。
ここで大事なのは、無理をしないことです。喉が痛くなったら、すぐに休んでください。
声帯は繊細な器官なので、無理をすると炎症を起こしてしまいます。
少しずつ、体に負担をかけないペースで続けることがカギです。
1週間に1回1時間より、毎日1分間を続ける方が効果が出る
声帯のトレーニングは、量より頻度は外せません。
1週間に1回1時間まとめてやるよりも、毎日1分間を続ける方が効果が出やすいんです。
なぜなら、声帯の筋肉は小さくて疲れやすいから。
長時間やりすぎると、逆に疲労が蓄積して声が出にくくなってしまいます。
毎日短時間でいいので、習慣として続けることが一番の近道です。歯磨きと同じように、寝る前の1分間を声帯のストレッチに当ててみてください。
続けていくうちに、だんだん声の出がよくなってきて、高音も戻ってくるようになります。
上を向いた状態で発声して、喉に程よい緊張を教える
上を向いた状態で発声すると、喉に適度な緊張が生まれます。この緊張が、声帯を伸ばす感覚を掴むのに役立つんです。
やり方は簡単です。
顔を天井に向けて、少し上を見た状態で「あー」と声を出してみてください。この状態で声を出すと、喉が自然と開く感覚が得られます。
喉を開くというのは、高音を出すために必要なテクニックの1つです。
ただし、やりすぎには注意してください。首に負担がかかるので、長時間続けると首を痛める可能性があります。
1回につき10秒程度、それを3〜5回繰り返すくらいがちょうどいいです。
この練習は、声帯を伸ばす筋肉(輪状甲状筋)に適度な刺激を与えるためのものです。
毎日続けることで、喉が開く感覚が身につき、高音が出しやすくなっていきます。
舌の位置と息の量を正しくキープしながら声を出す習慣
舌の位置と息の量は、発声の質に大きく影響します。
舌の位置が正しくないと、声がこもったり、響きが悪くなったりします。
正しい舌の位置は、舌先が上の前歯の裏に軽く触れている状態です。
舌全体がリラックスして、喉の奥を塞がないようにしてください。
息の量も大事です。
息を吐きすぎると声がかすれてしまいますし、息が足りないと声が弱くなります。
適量の息で声を出すには、腹式呼吸をマスターすることが前提です。
お腹から息を送り出すイメージで、一定の息の量を保ちながら声を出してみてください。
- 舌先は上の前歯の裏に軽く触れる
- 舌全体はリラックスさせる
- 息は一定量を保つ
- お腹から息を送り出すイメージ
この2つを意識しながら発声する習慣をつけると、声の響きが良くなり、高音も出しやすくなります。
最初は難しいかもしれませんが、鏡を見ながら練習してみてください。
高い声が出なくなった原因と治し方をやってみる上での注意点
トレーニングを試す上で、気をつけておきたいポイントがいくつかあります。
特に、年齢や体の状態によっては、訓練だけでは改善しない場合もあります。
そういったケースを見逃さないためにも、以下の注意点を頭に入れておいてください。
40代後半以降は加齢の影響も出始めるが、訓練で補える
40代後半を過ぎると、加齢による声帯の変化が現れ始めます。
声帯の粘膜が薄くなったり、声帯を動かす筋肉の柔軟性が低下したりするのは、誰にでも起こる自然な変化です。ただ、これは「もう高い声が出せない」という意味ではありません。
訓練によって、十分に補うことができるんです。
実際、50代や60代でもボイストレーニングを続けている人は、年齢に見合わないほど良い声を保っています。大事なのは、年齢に応じた発声方法を身につけること。
若い頃と同じやり方では無理があるので、年齢に合わせて調整していく必要があります。



50代でも高い声って出せるんですか?



出せるよ。ただ、若い頃とやり方は変えないとね
年齢による変化を受け入れつつ、合ったトレーニングを続ければ、高い声は取り戻せます。諦める必要はありません。
機能性発声障害と診断された場合は専門家の指導を受ける
突然声が出なくなった、特定の音域だけ声が出ないといった症状がある場合、機能性発声障害の可能性があります。
機能性発声障害とは、声帯そのものには器質的な問題がないのに、脳からの神経伝達が誤って別の筋肉に力が入ってしまう状態です。
この場合、一般的なボイストレーニングだけでは改善が難しいことがあります。
音声外来などの専門医を受診して、正しい診断を受けることをおすすめします。
専門医の指導のもと、段階的にリハビリテーションを行っていくことで、多くのケースは改善していきます。発声は1人で悩まないでください。
声の病気が疑われる時は、まずは音声外来で相談してみることがカギです。
声帯ポリープや結節が疑われる症状が2週間以上続くときの対処
声がかすれる、うわずるといった症状が2週間以上続く場合、声帯ポリープや声帯結節の可能性があります。
一時的な症状であれば、風邪や声の使いすぎ、乾燥などが原因で数日から1週間程度で治まることが多いです。でも、2週間以上症状が続く場合は、声帯に器質的な問題が起きているかもしれません。
声帯ポリープや声帯結節は、声の使いすぎや間違った発声方法が長期間続くことで発生します。
こういった症状がある場合は、無理にトレーニングを続けるのではなく、まず医療機関を受診してください。
耳鼻咽喉科や音声外来で喉頭内視鏡検査を受ければ、声帯の状態を確認できます。
- 声がかすれる状態が2週間以上続く
- 高音で声が裏返る、かすれる
- 声を出すと痛みがある
- 声が以前より低くなった
- 喉に異物感がある
これらの症状に当てはまる場合は、早めに専門医に相談してください。
放置すると症状が悪化する可能性があります。
よくある質問
- 高い声が出なくなったのは年齢のせいですか?
-
40代後半以降は加齢の影響も出始めますが、多くの場合は長年の発声の癖が原因です。20代や30代で高音が出なくなっているなら、年齢よりも発声方法の問題である可能性が高いです。訓練で改善できることがほとんどです。
- 高い声を取り戻すにはどのくらいの期間がかかりますか?
-
個人差がありますが、正しいトレーニングを毎日続ければ、数週間から数ヶ月で変化を感じる人が多いです。大事なのは、1週間に1回長時間やるよりも、毎日1分間でも続けることです。
- 裏声の練習は恥ずかしいのですが、他に方法はありますか?
-
裏声の練習が一番効きますが、どうしても抵抗がある場合は、お風呂の中や車の中など、誰にも聞かれない場所で練習してみてください。最初は恥ずかしく感じるかもしれませんが、続けていくうちに慣れてきます。
- 声帯のトレーニングは毎日やらないと効果がありませんか?
-
毎日続けるのが理想ですが、週に5日程度でも効果は出ます。大事なのは、無理をしないこと。喉が疲れていると感じたら、その日は休んでください。長期的に続けることが一番大切です。
- ボイストレーニングに通わないと高い声は取り戻せませんか?
-
独学でも基本的なトレーニングは可能です。ただ、自分の発声方法が正しいかどうかを客観的に判断するのは難しいので、可能であれば専門家に一度見てもらうことをおすすめします。オンラインレッスンなども活用できます。
まとめ:高い声が出なくなった原因を見直せば、発声は必ず変わってくる
高い声が出なくなった原因は、多くの場合「喉の衰え」ではなく「発声の癖」です。
長年の間違った発声方法が積み重なって、声帯を伸ばす筋肉が硬くなったり、余計な力が入る癖がついたりしている。でも、これは訓練で改善できます。
年齢のせいだと諦める前に、まずは自分の発声方法を見直してみてください。
腹式呼吸・共鳴・力みの除去という3本柱を土台に、小さな裏声で高音域を歌う練習を毎日続けること。それだけで、声は少しずつ変わっていきます。
毎日1分間でいいんです。
続けることが、一番の近道になります。
もちろん、人によっては器質的な問題や機能性発声障害の可能性もあります。2週間以上症状が続く場合や、突然声が出なくなった場合は、専門医に相談してください。
声は年齢とともに変化します。でも、その変化に合わせて発声方法を調整すれば、いくつになっても良い声で歌うことは可能です。
焦らず、自分のペースで取り組んでみてください。






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