声優養成所の体験レッスンで初めて「キャラクターの声を出してみて」と言われたとき、どう出せばいいか分からず固まってしまった。
そんな経験、ありませんか?
「なりきる」だけでは喉が壊れるし、かといって発声の基礎から学ぶのも遠回りに感じる。
キャラ声を極めたい配信者の方なら、なおさら「今すぐ使える声の作り方」が知りたいはずです。
実は、声の作り方には設計図があります。口の形・息の量・響かせる場所の3つを先に決めておけば、キャラクターに合わせる演技は後から自然についてくるんです。
この記事では、その設計図の作り方を順番に書きました。
「なりきる」だけでは喉が壊れる理由

キャラクターになりきって声を出す。
一見正しいアプローチに思えますが、実はこれ、喉を痛める一番の原因なんです。
音無し感情を込めれば自然と声が変わるって聞いたんですけど…



それ、半分正解で半分間違い。感情だけじゃ喉が持たないんだよ
感情に頼った発声は、無意識に喉に力が入ります。「可愛く」と思えば喉を締めて高い声を出し、「クール」と思えば喉を緊張させて低い声を作る。
これを繰り返していると、3ヶ月後には声が枯れやすい体質になってしまうんです。
声優養成所でも、アニメ声を出す練習や講義は行わないと言われています。それほど、発声の土台がないままキャラクター声を作るのは危険なんですよね。
発声の土台がないまま”声色”を変えると起こること
土台のない声作りは、体に無理を強いる行為です。
喉に負担がかかるだけではありません。声域が狭くなる、音程が不安定になる、長時間話すと声が震える。
こうした症状が少しずつ積み重なっていきます。
- 喉への負担
- 声域が狭くなる
- 音程が不安定になる
- 長時間で声が震える
これらの症状は、練習量が増えるほど深刻化していく傾向があります。熱心に取り組むほど、かえって声が出しづらくなるのは本末転倒ですよね。
声色を変えること自体は誰にでもできます。ただ、正しい発声方法を知らずに声を加工すると、喉にかかる負担が想像以上に大きいんです。
まずはしっかりとした発声方法から始める。これが遠回りに見えて、結局一番の近道になります。
キャラクターに合わせる声の作り方は「口の形×息×響き」の3要素で決まる


声の作り方には、明確な設計図があります。
それが「口の形」「息の量」「響かせる場所」の3要素です。



3つだけ?もっと複雑なことをするのかと思ってました



基本はこの3つ。これを組み合わせるだけで、驚くほど多彩な声が作れるよ
この3要素を意識的にコントロールできるようになると、キャラクターに合わせた声を「設計」できるようになります。
感情や雰囲気に頼らず、物理的に声を作り分けられるんです。
口の開け方と舌の位置が声質を左右する仕組み
「い」の発音と「お」の発音では、口の形が全く違います。
唇の形や口を開く大きさだけでも、音は大きく変わるんです。
例えば、口を横に引いて「い」の形のまま台詞を話すと、明るく軽い印象の声になります。
逆に、口を縦に開いて「お」の形で話すと、落ち着いた深みのある声になる。
舌の位置も重要です。舌を上顎に近づけると鼻にかかったような声になり、舌を下げると開放的な声になります。
- 「い」の形:明るく軽い・少女キャラ向き
- 「お」の形:落ち着いた深み・大人キャラ向き
- 舌を上げる:鼻声・甘えた印象
- 舌を下げる:開放的・元気な印象
口の形を固定したまま台詞を読む練習をすると、その声色が体に染み込んでいきます。最初は口が疲れますが、これが「型」の習得になるんです。
息の量と流し方で「可愛い」「クール」が切り替わる
同じ高さの声でも、息の量で印象がガラッと変わります。
息を多めに吐きながら話すと、ウィスパーボイスになります。これは大人な女性を演じるときによく使われる声で、セクシーな色気を感じさせます。
語尾だけ少し息を多めにするだけでも、雰囲気が変わるんです。
逆に、息を抑えてしっかり声帯を鳴らすと、クールで芯のある声になります。少年キャラや凛とした女性キャラに向いている出し方です。
- 息多め→ウィスパー
- 息抑え→クール系
- 語尾だけ変化もあり
- 小声から試す
最初は息の加減がわからなくて戸惑うかもしれませんが、小声なら喉への負担も少なく安心です。
感覚をつかんでから徐々に声量を上げていくと、自然にコントロールできるようになります。



息の量って、そんなに意識したことなかったです



実は息のコントロールが、声の印象を一番左右するポイントなんだよね
響かせる場所(胸・鼻・頭)でキャラの年齢層が変わる
声の響かせる位置を変えると、キャラクターの年齢層まで操作できます。
胸で響かせると、低く落ち着いた声になります。
これはチェストボイスと呼ばれ、大人のキャラクターや男性キャラに使われます。
鼻で響かせると、鼻にかかる甘えた声になります。
女の子のキャラクターが甘えるシーンで、よく使われる声です。鼻をつまんで発声や発音を練習すると、鼻腔共鳴のコツがつかめます。
頭で響かせると、軽く高い声になります。
これはヘッドボイスと呼ばれ、幼い子どもやマスコットキャラクターの声に向いています。
- チェストボイス(胸):大人・落ち着き・深み
- 鼻腔共鳴(鼻):甘え・幼さ・可愛らしさ
- ヘッドボイス(頭):軽さ・高さ・子ども
響かせる場所に気をつけるだけで、同じ音程でも全く違う印象の声が作れます。これが「声の配置」という考え方です。
発声練習は「腹式呼吸→滑舌→声域」の順で積み上げていく


声の作り方を学ぶ前に、発声の土台を作る必要があります。その順番は、腹式呼吸が最初です。



腹式呼吸、よく聞くけど何から始めればいいのか…



焦らなくて大丈夫。一つずつ順番に積み上げていけばいいんだよ
腹式呼吸ができれば、喉への負担が9割減ります。そこから滑舌を整え、最後に声域を広げる。
この順番を守ると、無理なく声が育っていきます。
腹式呼吸で声帯への負担を9割減らす
腹式呼吸は、お腹を使って息を吸う呼吸法です。胸ではなくお腹が膨らむのが正しい状態です。
お腹に手を当てて、鼻からゆっくり息を吸ってみてください。
お腹が膨らんでいれば、腹式呼吸ができています。
吐くときは、お腹をへこませながらゆっくり吐く。
- お腹に手を当てる
- 鼻から息を吸う
- お腹の膨らみ確認
- ゆっくり吐く
最初はうまくいかなくても、毎日少しずつ練習すれば自然と身につきます。寝る前の5分でも続けてみると、呼吸の深さが変わってくるはずです。
腹式呼吸ができると、声を出すときの支えが腹筋になります。
喉だけで支える必要がなくなるため、声帯への負担が大幅に減るんです。
正しい姿勢も大事です。背筋を伸ばして、肩の力を抜く。
猫背のままだと、お腹に空気が入りにくくなります。
滑舌トレーニングで台詞の”輪郭”をくっきりさせる
声が作れても、言葉が聞き取れなければ意味がありません。滑舌は、声優にとって絶対に外せないスキルです。
滑舌トレーニングには、早口言葉や外郎売が使われます。
外郎売は、声優やアナウンサーが必ず練習する滑舌の教材です。
長い台詞の中に、日本語のあらゆる音が詰まっています。
- 早口言葉で反復練習
- 外郎売で全音域確認
- 苦手音を集中強化
- 録音して客観視
特に苦手な音は、意識して何度も繰り返すことで改善されていきます。自分の声を録音して聞き返すと、思った以上に曖昧な発音が見つかるでしょう。
外郎売を使った実践法
外郎売を使うときは、最初から速く読もうとしないことです。
ゆっくり、一音一音をはっきり発音する。
これを繰り返すと、舌の動きが正確になっていきます。
速さは後からついてきます。
毎日5分でも続けると、3ヶ月後には口の動きが全く変わっています。鏡を見ながら練習すると、口の形が崩れていないか確認できます。
早口言葉を録音して弱点を見つける
早口言葉を録音して聞き返すと、自分の弱点が見えてきます。
「あのね」と「あにょね」。小文字を混ぜると舌足らずな話し方になりますが、これをコントロールできるかどうかは滑舌次第です。
聞き取れる程度の舌足らずさが、キャラクター声では重要なんです。
録音した音源を客観的に聞くと、「この音が曖昧になっている」とすぐ分かります。そこを重点的に練習すれば、弱点が消えていきます。
地声で出せる音域を広げてから”作る声”に移行する
地声で高音が安定して出せるようにならないと、アニメ声のような特徴的な声は作れません。
裏声ではなく、地声で高音を出す練習をしてください。
裏声を使うと音域が広くなりすぎて、聞いている人に違和感を与えることがあります。



地声で高い声って、出し方が分からないです…



最初は出なくて当たり前。少しずつ、限界音を上げていく感覚だね
毎日少しずつ、出せる音の限界を広げていく。無理に出そうとすると喉を痛めるので、小声で練習するのがコツです。
3ヶ月続ければ、確実に音域が広がります。
- 無理に出そうとしない
- 小声から始める
- 毎日少しずつ続ける
- 喉の痛みを感じたら休む
焦って限界を超えようとすると、声帯を傷めて逆に音域が狭くなってしまう。
地道に積み重ねた人ほど、後から安定した高音が手に入ります。
地声の音域が広がってから、「作る声」に移行する。
この順番を守ることで、喉を壊さずに声の幅を広げられます。
キャラクターに合わせる声を”身体に記憶させる”実践トレーニング
声の作り方が分かっても、それを自在に使えなければ意味がありません。
身体に記憶させる練習が必要です。
ここで紹介するトレーニングは、どれも自宅で一人でできるものです。
特別な道具もいりません。
必要なのは、継続する意志だけです。
小説朗読で複数キャラを演じ分ける練習
文庫本の小説を朗読してみてください。
一般的な小説には、複数の登場人物が出てきます。
すべて自分で演じ分けるつもりで読むんです。男性キャラ、女性キャラ、老人、子ども。
それぞれの登場人物になりきって、声色を変えながら読み進める。
キャラクターと一体化して、その個性や人間性、性格をしっかり演じ分けようとすると、声も自然と変わっていきます。感情につられて声が変化する体験ができるわけです。
- 男性キャラ
- 女性キャラ
- 老人
- 子ども
- 感情表現
演じ分けに慣れてくると、声帯や口の使い方が柔軟になっていくのを実感できます。
最初はぎこちなくても、繰り返すうちに切り替えがスムーズになるはずです。



小説なら家にあるので、今日からできそうです!



そうそう。お金もかからないし、一番手軽な練習法なんだよね
この練習を続けていると、「第二の声」が生まれることがあります。
自分でも気づいていなかった声色が、ふとした瞬間に出てくるんです。
口の形を固定したまま台詞を読む”型”の習得法
口の形を固定したまま台詞を話すと、その声色が体に染み込んでいきます。
最初に新しい声を作ってみてください。
「い」の発音や「お」の発音で、口のカタチを変化させながら声を出す。
「これだ!」という声を見つけたら、その口のカタチのまま台詞を読み上げるんです。
- 「い」で口を横に広げる
- 「お」で口を縦に開く
- 気に入った形を見つける
- その形で台詞を読む
慣れないうちは口周りの筋肉が疲れるかもしれません。でも繰り返すことで、固定した口の形でもスムーズに言葉が出るようになります。
型が定着すれば、そのキャラクターの声が自然と引き出せるでしょう。
「い」の形で話し続ける訓練
口を横に引いて「い」の形を作ります。
そのまま台詞を読んでみてください。
もちろん台詞をしゃべるわけですから、口のカタチは多少変わります。
でも、極力最初のカタチから変わらないように意識する。この作業を続ければ、口と体がその声色を覚えてくれます。
最初は口が疲れます。
普段使わない筋肉を使うからです。でも、それが正しい証拠なんです。
「お」の形で話し続ける訓練
口を縦に開いて「お」の形を作ります。
そのまま台詞を読む。
「い」の形とは全く違う声が出るはずです。落ち着いた、深みのある声になっていませんか?
この2つの形を使い分けられるようになると、キャラクターの年齢層や性格に合わせた声の基礎が身につきます。前述の「口の形×息×響き」と組み合わせれば、より多彩な声が作れるようになります。
録音と聞き返しで”客観的な声”を知る習慣
自分の声を録音して聞き返す。
これが一番効く練習法です。



自分の声、録音で聞くのって恥ずかしいんですよね…



分かる。でも、それを乗り越えないと上達しないんだよね
録音した音源を聞くと、自分が思っている声と実際の声がズレていることに気づきます。このズレを埋めていく作業が、声優の練習なんです。
録音は毎回する必要はありません。週に1回でも、録音して聞き返す習慣を作ってください。
それだけで、客観的に自分の声を知ることも可能です。
- 週1回の録音習慣
- 10秒程度の短いフレーズ
- 録音後すぐ聞き返す
- 自分の声との違いを確認
短いフレーズだからこそ、何度も繰り返し聞けるし、修正点も見つけやすくなります。長い台詞を録音すると聞き返すのが面倒になりがちですが、10秒程度なら負担も少ないでしょう。
演技力は声の土台ができてから自然に育っていく
声色の作り方に集中していると、演技力を忘れがちです。
でも、実は順番があるんです。
声の土台ができてから、演技力が自然に育っていく。
逆はうまくいかないんですよね。
声色の数より「一つの声での表現幅」が現場では評価される
声色を何種類も使い分けられる声優さんは確かにいます。でも、それが声優としての価値ではありません。
プロの声優さんの中には、声の使い分けができなくても、その演技力によって数多くの仕事を抱えている方が何人もいます。
一種類の声しか使えなくても、演技力があれば十分通用するのが声優の現場なんです。



じゃあ、声色を増やすことに必死にならなくてもいいんですか?



そう。一つの声で、どれだけ多彩な感情を表現できるかが大事なんだよ
声色を作ることに熱中して、本来の目的や本当に大切なものを見失わないようにしてください。
声色は使い分けられるに越したことはありません。
でも、それより大事なのは演技力なんです。
キャラクターの背景を想像すると声が自然に変わる体験
キャラクターの個性、人間性、性格を深く理解しようとすると、声も自然と変わっていきます。
例えば、小説を朗読するとき。登場人物の背景を想像しながら読むと、声のトーンや速さが勝手に変わることがありませんか?
これが「キャラクターと一体化する」ということです。声を作るのではなく、キャラクターになりきることで、声が自然に変化する。
この体験を繰り返すことで、演技力が育っていきます。
声にも流行があります。
30年くらい前のアニメと最近のアニメを見比べてみると、声優さんの声って180度違うんです。
でも、共通しているのは「キャラクターへの理解」なんですよね。
声優養成所で教えている”キャラと一体化する”メソッド
声優養成所では、キャラクターの背景を徹底的に分析させます。
このキャラは何歳で、どんな家庭環境で育ち、どんな価値観を持っているのか。台本に書かれていないことまで想像する。
そこまでやって初めて、キャラクターと一体化できるんです。
演技の90%はリズム感で決まる、と言われることもあります。キャラクターのテンポやリズムを掴むことが、演技の土台になるんです。
声の作り方を学んだ後は、キャラクターの背景を想像する練習に移ってください。
声の土台ができていれば、演技力は後から自然についてきます。
よくある質問
- 声の作り方を練習すると、地声が出なくなることはありますか?
-
正しい方法で練習していれば、そのようなことはありません。ただし、喉に力を入れて無理に声を作ると、声帯を痛める可能性があります。腹式呼吸を基礎にして、喉に負担をかけない発声を心がけてください。
- キャラクターに合わせる声の練習は、毎日どれくらいやればいいですか?
-
最初は5〜10分で十分です。長時間やりすぎると喉を痛めます。短い時間でも毎日続けることが、一番の近道になります。3ヶ月続ければ、確実に変化が実感できるはずです。
- 地声が低いのですが、それでもアニメ声や萌え声は出せますか?
-
出せます。地声の高さは関係ありません。口の形、息の量、響かせる場所を工夫すれば、地声が低くても高めの声は作れます。ただし、無理に高い声を出そうとすると喉が痛くなるので、喉仏を上げる練習から始めてください。
- 声の練習をしていると喉が痛くなるのですが、何が原因ですか?
-
喉に力が入っている可能性が高いです。腹式呼吸ができているか、もう一度確認してみてください。喉で声を支えるのではなく、お腹で支える感覚を掴むことが大事です。小さめの声量で試すと、喉への負担が減ります。
- 録音した自分の声が恥ずかしくて聞き返せません。どうすればいいですか?
-
最初は誰でもそうです。でも、客観的に自分の声を知ることが上達の鍵なんです。最初は短いフレーズだけ録音して、少しずつ慣れていってください。3回聞けば、恥ずかしさは薄れていきます。
まとめ:声の設計図を作れば、キャラクター表現は後からついてくる
キャラクターに合わせる声の作り方は、感情や雰囲気に頼るものではありません。
口の形、息の量、響かせる場所の3要素を設計することで、物理的に声を作り分けられます。
最初は腹式呼吸と滑舌から始めて、発声の土台を作る。その後に声の作り方を学び、最後にキャラクターと一体化する演技力を育てる。
この順番を守ることで、喉を壊さずに声の幅を広げられます。
声色の数を増やすことより、一つの声でどれだけ表現できるかが現場では評価されます。
焦らず、一歩ずつ積み上げていってください。
録音と聞き返しの習慣を作ることも忘れないでください。
客観的に自分の声を知ることが、一番の近道です。






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